ゲーム機の互換性の有無はヒットと関係あるの?売上にプラスになる?

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ゲーム機には、互換性のあるものと
互換性のないものが存在します。

ゲーム機における”互換性”とは、
”前のゲーム機のソフトも使えること”を主に示します。

例えば、プレイステーション2ではプレイステーション1のソフトが、
プレイステーション5ではプレイステーション4のソフトが
そのまま使えたり、
任天堂のWiiUではWiiのソフト、
WiiではWiiの1個前のゲームキューブのソフトを
使うことができます。

こういった”前のゲーム機向けに発売されたゲームソフトも使える”
ゲーム機のことを”互換性のあるゲーム機”と言います。

互換性があるゲーム機の場合だと、
最新のゲームソフトだけではなく、1個前のゲーム機向けのソフトも
遊ぶことができるため、
遊べるソフトの種類は増えますし、非常に便利であるのは事実です。

では、この”互換性の有無”はゲーム機自体の売上に
関係するのかどうか。
この点について、見ていきたいと思います。

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ゲーム機の成功・失敗にはあまり影響しない

これまでの国内の家庭用ゲーム機の歴史を
見ていくと、”互換性があるかどうか”は、
実際のところあまりゲーム機の成功・失敗には
影響はありません。

何故なら”互換性のないゲーム機でも大ヒットしているもの”はありますし、
逆に”互換性のあるゲーム機でも大失敗しているもの”もあります。

互換性がつけば有利になる…ということが
少なくともこれまでのハードでは売上に現れていません。

確かに、互換性のあるハードで
売れたものもそれなりにあり、
PS1と互換性のあるPS2は大ヒットしましたし、
ゲームキューブと互換性のあるWiiも、
DSと互換性のあるニンテンドー3DSもヒットしました。

が、互換性があってもヒットに苦戦したり、失敗しているハードも
それなりに多く、
まず、Wiiとの互換性があった「WiiU」は、
Wiiの大ヒットの勢いから急激に失速し、任天堂の据え置きハードの中では
今現在”最も苦戦したゲーム機”になってしまっていますし、
PS2との互換性があった「初期のPS3」(後に廃止)は、
PS2までの勢いを維持できずに失速、PS1⇒PS2と続いた
トップシェアの座を競合のWiiに渡すことになりました。

また、PS4との互換性があるPS5に関しても
国内では苦戦が続いています。

このように、”互換性があっても”ヒットしているゲーム機と
ヒットしていないゲーム機があるために、
”互換性があればヒットする”とは
限らないのです。

また、”Wii”のような大ヒットしたゲーム機との互換性を持っていても、
WiiUは失敗しているため
”互換する相手”が、どんなにヒットしているゲーム機であっても
やはり、別の部分が伴わないと上手く行かない、ということが
結果として表れてます。

互換性ナシでもヒットしてるゲーム機も多い

逆に、互換性ナシでもヒットしているゲーム機も
それなりに存在しており、
まず、任天堂の「ニンテンドースイッチ」は、
任天堂のゲーム機の中でも最高レベルの売上に達するほどの
大ヒットを記録してますが
”互換性”はありません。
使用できるのはニンテンドースイッチのソフトのみであり
switchの前のWiiUのソフトを利用することはできません。

また、ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイ(初代)も、
互換性はありませんでしたがいずれもヒットしています。

PSに関しても、PS1はプレイステーション系最初のハードなので
当然互換性はありませんし、
PS4も互換性はありませんでしたが、堅実なヒットを記録しています。

もちろん、互換性なしでそのまま売上的にもあまり良い結果では
なかったハード(N64、ゲームキューブ、ドリームキャストなど)も
ありますので、
互換性なし=成功、ということでもありませんが、
前述のケースも含めて考えると
”互換性があってもなくても”ヒットするものはするし、
しないものはしない…ということが今までの結果から現れているのです。

もちろん”互換性の有無”が、売上に全く影響を与えない…
とまでは言いませんが、
↑のような結果から、

”互換性があるかどうかで勝負は決まらない”

と、いうことが言えます。

ゲーム機が最終的にヒットするかどうかは、
もっと他の部分も大事になってくる、ということですね。

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互換を途中で廃止したゲーム機も…

互換性がゲーム機のヒットに大きく関係しない…ということが
よく表れているもう一つの特殊なケースが
「PS3」と「DS」の売上です。

まず、PS3は発売当初は「PS2」と「PS1」との互換性を
持っていましたが、後に「PS2」との互換は廃止しています。
「PS1」は最終モデルまで使えましたが
「PS2」のソフトは初期モデルのPS3でしか使うことは
できませんでした。

しかし、PS2との互換を廃止する前と後では
”後”の方がプレイステーション3は売れており、
”PS2との互換を廃止したことによって売上ダウン”に繋がることはなく
むしろ、互換性廃止後に段階的に値下げなどが行わたこと、
本体の軽量化が行われたこと、そして、ソフトが充実し始めたことにより
PS3は最初のスタート失敗が嘘のように、
中盤以降はある程度の巻き返しを見せていました。
(互換性が重要ならPS1との互換性は残っているとは言え、
PS2との互換性を切ったことで、ある程度売上にも影響が出るはずですが
PS3の場合”目に見える変化”は互換性の部分に関してはありませんでした。

またDSも、最初はゲームボーイアドバンスとの互換性を持っていましたが
DSi以降のモデルでは廃止、互換性はなくなりました。
ただ、DSに関しても「DSiになってから売上が極端に落ちた」みたいな
現象は起きていませんので
”互換性を廃止しても、他にメリット(値下げなど)」があれば
 売上に大きな影響が出ない」ということが言えます。

途中で互換性を無くしても”売上に目に見えて悪い変化が起きない”
ということは、それほど互換性自体は
売上に大きな影響を与える要素ではない、ということを意味しています。

過去のハードやソフトへの売上の影響は?

前のゲーム機との互換性ありにした場合、
”前のゲーム機のソフトや周辺機器”の売上は次のハードが出ても
ある程度維持されるかと思います。
また、”互換性があるなら、このゲーム機を買おう”という人も
0人ではないでしょうから、先ほど書いたように
大きな変化はないまでも”多少のプラス”はあるかと思います。

一方で、互換性ありの場合のデメリットとしては、
”旧ハードの本体の価値が下がる”(実際、Wiiにはゲームキューブとの
互換性があったために、当時ゲームキューブ本体の買取価格が
異様に下落していました)ことや、
最新ハードのソフトが売れなくなる(互換性があるために
前のハードのソフトを遊ぶ人もある程度増えることで、
最新ソフトを遊ぶ時間がなくなる人もいる)などが挙げられます。

このように、互換性は、”買う側”からすれば
あるならあるで嬉しいことですが、
売る側から見るとメリット・デメリットもある、ということになります。

また、互換性をつけるとどうしてもコストは上がるため、
”互換性さえなければ本当はあと5000円安く発売できた”とか、
そういった”価格の高騰”に繋がる可能性もあり、
買う側からしてみても、必ずしもメリットになるわけではない、
ということが言えます。

まとめ

もちろん、買う側からすれば
(値段が変わらないなら特に)互換性はあった方が良いですし、
私もそう思いますが、
”互換性の有無”でゲーム機の成否を分けるか?と言われると
そこまで”重要な要素ではない”というのが現実です。

これは、今までの過去のゲーム機の売上からも
ハッキリと現れており、
互換性があろうとなかろうと、ヒットするものはするし、
ヒットしないものはしない、というのが現実になるのです。

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