PS4とPS5ソフトの「縦マルチ」はいつまで続くの?理由と現実を解説!

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プレイステーション5の新作ソフトは
この記事執筆時点で、
そのほとんどがプレイステーション4との「縦マルチ」です。

縦マルチとは、最新のゲーム機と、その一つ前のゲーム機に
同時発売されるソフトのことを示す言葉で
例えば、「PS5とPS4に同時発売されるソフト」は、
この縦マルチに当てはまります。

PS5だけで発売されるソフトは今の時点では
ほとんどありません。

では、PS5専用のソフトが少なく
PS4との縦マルチが多い理由はいったい何なのでしょうか。
そして、この状況はいつまで続くのでしょうか。

その点について解説します。

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PS4とPS5の縦マルチ展開のメリットとデメリット

「縦マルチ」の展開にはメリットとデメリットが存在しており、
例えばPS5を買うつもりがない人や、手に入れられない人からすれば
「PS4でも遊べるから、PS5がなくても遊べる!」と、喜ぶでしょうし
結果的にソフトの売り上げも増え、メーカーからしてみても
遊んでくれる人が増えるためにメリットとなります。

逆に、PS5を購入した人の中には
「せっかくPS5を買ったのに、PS4でもほとんどの新作が出るなら
 PS5買わなきゃよかった」と不満を感じる人もいるでしょうし、
PS4と同時発売となると、どうしてもソフトの内容をPS4側に合わせる感じに
なることが多く「PS5専用」で作るより、クオリティが落ちることもあります。
また、本体を発売しているメーカーにとっては
「PS4でも新作ソフトが遊べるからPS5は買わなくていいや」という人も
出てくるため、ハードの普及が遅れる、というデメリットもあります。

では、どうしてこのような発売形式が続くのかを
見ていきましょう。

PS系ハードは元々移行が遅い

プレイステーション系のハードは
元々次世代機への移行が数年単位でかかる傾向にあり、
今までのPS2⇒PS3やPS3⇒PS4も、かなり時間がかかりました。

例えばPS4が発売された当初も
PS4とPS3で同時発売のソフトが非常に多く
”縦マルチ”の状態が続いていました。
PS4が登場したのは、2014年のことでしたが、
2016年頃もまだ「縦マルチ」が多くのソフトで続いており、
なかなか移行は進んでいませんでした。

逆に任天堂系のハードの場合は
「縦マルチ」展開が非常に少なく、
Wii⇒WiiU WiiU⇒スイッチの移行も非常に
スムーズに進んでいます。
(逆に言えば、前のハードですぐにソフトが出なくなってしまう、
という点や、新しいハードが出る時点で、
既に前のハードは”新作を出しても売れない”レベルにまで
衰退しているとも言えるので、
一概に移行がスムーズなのが良いとは限りませんが)

そのため、今回のPS4⇒PS5に関しても
いつものプレイステーションの流れを考えれば
数年間は縦マルチの新作がほとんどになるのは
「いつも通りのこと」とも言えます。

しかし、PS5の場合は「いつも以上に縦マルチ」の期間が
長くなることも予想されます。
その理由は何か…それを見ていきましょう。

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PS4からPS5への移行はいつも以上に遅れる

元々、プレイステーションは移行に時間がかかるハードです。

前のハードの勢いをある程度維持したまま次のハードが
出ることや、ソフト自体が豊富にそろっていることなどが
その理由として挙げられます。
任天堂ハードの場合は、失速後に次のハードが出ることが多いために
「今すぐにでも新しいハードに移動しないと厳しい」状況で
出ることが多いのですが、
プレステの場合は「別にそんなに急がなくてもいい」状況で
次のハードが出ることが多いため、
ソフトも前のハードに長々と発売され続けることが多いわけです。

加えて、本体を発売しているメーカーは基本的に「新しいハード」を
早く売りたいので、新しいハードのみにソフトを出すことが多いですが
任天堂は「自分の会社のソフトが中心」でハードを引っ張っていく一方、
プレステのソニーは基本的に「他社のソフト中心」でハードを引っ張ります。

他社は本体の売上より自社のソフトの販売本数が最優先ですから、
当然、「PS5」にだけソフトを出す必要はなく「PS4/PS5」にしたほうが
売上も利益も上がります。

任天堂とソニーでは性質が異なり、
プレステ系は元々ハードの移行が遅いです。

そして、今回のPS5では
「転売などによる品薄」が非常に大きく影響しており、
欲しい人に行きわたらず、本体の売上はある程度伸びても
ソフトが売れない状態が続いています。
メーカー側の対策も乏しく、ユーザーの中には
「欲しかったけど、なかなか買えないからPS4でいいや」というユーザーも
一定数「諦め」も起きており、
転売関係を解決しない限り、PS4⇒PS5の移行はさらに遅れると想定されます。

PS4とPS5の縦マルチが多い理由とは?

「PS5」が普及していないから
「PS5だけにソフトを出しても売れないから」
これが最大の理由になります。

もちろん「PS5」だけにソフトを出したほうが「PS5」は売れるように
なりますし、移行もスムーズに進むでしょう。
しかし、本体を作っているソニーなら、我慢してソフトの売り上げを犠牲に
PS5だけにソフトを出しても、本体が売れればいずれ+になりますが、
ソフトメーカーからすれば「PS5の普及に協力する」メリットは少なく、
それより「PS4/PS5」にソフトを発売して、ソフトの売り上げを増やすほうが
重要になります。

実際にバイオハザードやテイルズシリーズの最新作も
PS4版の方が圧倒的に売れている状態で、PS5版の数字だけを見ると
かなりひどい数字です(初週売上はバイオは約4万本、テイルズは約5万本)
PS5を持っている人は、おそらくPS5版を買う人がほとんどですから、
もしもPS4版を出していなければ↑のような悲惨な売り上げだったかもしれない…
ということです。

それでは、ソフトメーカーは困ってしまいます。

転売屋はゲームソフトは買いません。
そのため、転売が横行しているPS5だけでソフトを出すのは、
非常に大きなリスクとなります。

2021年現在のPS5の状況は
「今、PS5専用で人気シリーズの新作を発売すれば
ほぼ確実に”シリーズ最低売上を記録”してしまう状態」です。
そんなハードに、新作ソフトを出すのは、少なくとも
国内メーカーにとっては厳しいのです。

実際に、本体を普及させたいはずのソニーですら
目玉商品であるはずの「グランツーリスモ7」をPS5だけではなく
PS4でも発売する方針に変更しました(当初はPS5のみ)。

これはソニーとしては非常に異例の動きで、
本体を普及させたいソニーでさえも、そうしないと苦しいぐらい、
国内でのPS5ソフトの売り上げは厳しい状態なのです。

いつまで縦マルチ中心になるの?

PS5の生産が「今のまま」のペースの場合、
どんなに早くても2023年中ぐらいまでは
縦マルチ中心でしょう。

最悪の場合、それ以上続く可能性もあります。

少なくとも、現時点ではほぼすべてのソフトが縦マルチであり、
2022年3月(予定)のグランツーリスモ7まで縦マルチに
なったところを見ると、プレステを展開しているソニーですら
「2022年はPS5だけでは厳しい」と判断しているということです。

それを考えれば、2022年中はほぼ確実に縦マルチ、
2023年も縦マルチ中心の、2024年ぐらいからようやく…
という感じになるのではないかと、考えられます。

生産体制を何も改善できなければ、
さらにそれが長引く可能性もあります

まとめ

プレイステーション4とプレイステーション5の
縦マルチは、まだまだ当分の間は続く見込みです。

PS5を持っているか、持っていないか、
買うつもりがあるか、ないかによっても
縦マルチを歓迎する人と、そうでない人はいるかと思いますが、
いずれにせよ、PS系はハード発売後、しばらくの間は
縦マルチのものが中心になっていくかと思います。

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